1.パーツチェック
買ってきたら、まず箱を開け中身を確認します。
写真はクレイズ製の栗原透子です。(1:箱 2:組立説明書 3:パーツ)

袋を開けて説明書のパーツリスト通りにパーツが揃っているか、パーツに欠損がないか等を確認します。
大幅な修正が必要なパーツがある場合は、パーツを交換してもらいましょう。
通常メーカー製の場合で絶版で無い限りはパーツの不足や欠損について対応してもらえます。
購入後すぐに、パーツチェックだけはやっておきましょう。

2.離型剤処理
パーツの表面には、レジンがシリコン型に貼り付かないようにするための離型剤が付着しています。
この離型剤が付着したままだと、塗料やパテが食いついてくれません。
まずは、この離型剤を落とします。
大抵の説明書には中性洗剤とクレンザーを歯ブラシに付けて洗うと書いてありますが、
どのみち全体にペーパーをかけたあげく、塗装前には全パーツの洗浄が必要になります。
離型剤が落とせて表面を軽く研磨できれば手段は重要ではありません。
※界面活性剤と研磨剤を含んだものならなんでも良いのではないかとも思います。歯磨き粉とかも使えるかも?
手っ取り早く作業するため、離型剤落としを使用します。保険程度にはなります。
写真はWAVEのM・ウォッシュです。

この液体は揮発性が高いので、換気には十分気を付け、使用後は密閉して保存しましょう。
放っておくと揮発して全部無くなってしまいます。
使用するときは別の容器に移して、説明には5分程度と書いてありますが、10〜20分程度漬け込んでおきます。

取り出して乾燥します。揮発性が高いのですぐに乾いてしまいます。

3.ゲート(湯口)及び湯逃げの処理
ゲートとはレジンを型に流し込む際の注ぎ口の跡です。
不要な部分なので切り取ります。

ニッパー、デザインナイフを使用してゲートを切り取ります。
一度に切り取らず、ニッパーで大雑把に切り取ったら、デザインナイフ、ヤスリで削ります。
ニッパーは切るというよりこそぐように使用します。
切り取ったゲートの欠片は気泡処理で使用するので、捨てないようにしましょう。
ゲートを切り取った状態です。この後ペーパーをかけるのですが、
パーティングラインの処理と一緒に行うことにします。

湯逃げとはレジンが隅まで届くように型に切れ込みを入れた箇所の跡です。
ここも不要な部分なので切り取ります。

一度に切り取るとパーツが割れてしまいますから、小さくV字に切り込みを入れ、少しずつ広げていきます。

こういった箇所は、デザインナイフより彫刻等のほうが作業し易いです。

湯逃げを切り取った状態です。ここは、右脚の太腿が入るので、仮組みしてきちんと入るか確認します。

接合部にゲートがある場合です。

ゲートを切り取ったら仮組みしてきちんとはまるか確認します。

他のパーツも一緒に仮組みしてみます。
特に問題無いようです。

接合部にゲートがあって、接合部が外に出ている場合です。
ゲートを切り取ったら仮組みしてみます。

大きな隙間はなく、特に問題ないようです。
隙間ができる場合は、軸打ちを行うときに修正する必要があります。

ゲートの位置にモールドがある場合は、モールドを掘り起こす必要があります。
この場合服の皺の上にゲートがあります。

ゲートを切り取って服の皺を掘り起こしました。

4.パーティングラインの処理
パーティングラインとはシリコン型の合わせ目にできるラインです。バリが付いている場合もあります。

バリとはシリコン型の合わせ目にたまったレジンがパーティングラインに残っているものです。
デザインナイフで切り取ります。

400番ぐらいの耐水ペーパーで削ります。
当然キズが付きますが、ラインを消すことが重要です、気にしないでいきましょう。
このとき段差を消すことに執着するあまり全体の曲線が狂わないように注意します。
下の図のようにならないようにしましょう。

パーティングラインに段差がある場合です。

段差が大きい場合はペーパーで削るだけでは修正しきれない場合があります。
下の写真はペーパーをかけてありますが、段差が消えていません。

この場合はポリパテ、瞬着等で修正します。
ポリパテを盛り付けたところです。

ペーパーで整形しました。段差が無くなっています。

修正前と同じ角度から見てみます。綺麗に修正できました。

パーティングラインを修正すると、筋彫り等のモールドが浅くなったり消えたりします。

デザインナイフ、ヤスリ等で掘り起こしましょう。

狭いところは2つ折りにしたペーパーで削ります。
髪の毛のパーツはパーティングラインが多いので大変ですが、根気良く処理しましょう。

5.気泡の処理
気泡とは、レジンを型に流し込む際に混入した空気が表面に出てきたものです。

まず、デザインナイフで口を切り取って広げます。
小さい気泡は、ニードル等で穴を空けてやります。

次にゲートの切れ端等を瞬着で貼り付けます。
小さい気泡は、瞬着を塗りつけます。爪楊枝を使うと作業し易いです。

ニッパーで余分は箇所をカットしてデザインナイフ、ペーパーで仕上げます。

気泡がパーツの端にある場合です。

まず、デザインナイフでV字に切り取ります。

次にゲートの切れ端等を瞬着で貼り付けます。

ニッパーで余分な箇所をカットしてデザインナイフ、ペーパーで仕上げます。

6.足つけ
全パーツのパーティングライン及び気泡の処理が終了したら、
全体に800〜1000番くらいのペーパーを軽くかけます。
これにより、プライマー、サーフェイサーの食いつきが格段によくなります。
マスキングテープと共に塗幕が剥がれるという悲しい現象も起きなくなります。
これが終了したら、いよいよ軸打ちを行います。
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