令和３年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
　新たな希望を胸に新年をお迎えになられたことと存じます。会員ならびに関係者の皆様には、平素より当所の事業活動に多大なご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

　昨年１月に中国武漢市より端を発した新型コロナウイルス感染症の爆発的流行は、全都道府県への緊急事態宣言の発令による外出の自粛、２０２０東京オリンピック・パラリンピックの延期など社会経済活動に大きな影響を及ぼしています。
　また、日本には、少子高齢化に伴う人口減少という構造変化が進行し、年々深刻化する人手不足、経営者の高齢化等による事業承継問題が顕在化し、低成長時代に突入していると判断せざるを得なくなっています。

　このような社会の課題に対応していくには、Zoom等を利用したオンライン会議をはじめとするＩＴ導入やＡＩなどロボット活用といった先端技術の導入が欠かせない時代になってきています。また、安倍前首相の辞意表明は大変驚きましたが、続く菅内閣は安倍前政権の継承とともに、「デジタル庁の創設」など改革意欲をうかがわせる布陣であることからも、先端技術の導入がさらに促進されていくのではないかと思われます。

　一方、11月の米国大統領選では、民主党ジョー・バイデン氏が次期大統領に選出されました。コロナ対策への財政出動や社会保障の拡充、エネルギー政策の強化などが多くの米国民に評価されたと思われます。新型コロナウイルスの克服に向けて、公約に掲げた戦略を実行し、政治・経済両面で調和のとれた政策運営と、トランプ政権下で築かれた日米両国の良好な関係が、バイデン新政権下においても維持発展することを期待します。

　国内では、新型コロナウイルス感染症拡大により売上の減少など深刻な影響を受けている中小企業については、国による持続化給付金や雇用調整助成金の拡充、GoToキャンペーン、また、岡山県による事業継続特別支援金、井原市による事業所等応援給付金や利子補給など、行政を挙げて企業への支援が行われました。

　さらに、中長期的かつ構造的な経営課題に対応するため、国のものづくり補助金やＩＴ導入補助金、岡山県設備貸与制度、井原市先端設備等導入促進事業補助金などの施策が展開されています。まだ予断を許さない厳しい状況ではありますが、こうした支援施策を活用しながら、会員企業の事業継続を最優先にしたいと思います。ぜひご利用いただき、井原市の世界に誇れる多くの企業を次世代に引き継いでいくことが「郷土井原」の発展につながるものと確信しています。

　商工会議所は地域商工業者を会員とする団体であり、会員数と結束力が活力の源泉です。今後も会員の皆様の声を結集して、諸事業・サービスを提供して参りますので、引き続きご利用いただくとともに、当所活動への一層のご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

　結びに、皆様方のご多幸とご健勝を心より祈念申しあげ、新年のごあいさつとさせていただきます。