「わさび」 =消化を助け、食欲増進効果が期待できる=
----------------------------------------------------------------2008/07/22
 わさびは日本原産で、古くから渓流などに自生しています。栽培が普及しだしたのは、江戸時代に入ってからのようです。国内の主要産地は静岡県や長野県などで、西洋わさびと区別するために、「本わさび」とも呼ばれています。わさび独特の強い辛みのもとは、細胞内にあるシニグリンです。このシニグリンが、わさびをすりおろす過程で、別の細胞内の酵素と反応を起こし、アリルからし油(アリルイソチオシアネート)という辛み成分となります。アリルからし油は、揮発した状態で抗菌反応が活発になり、細菌やカビの増殖を抑える効果があるといわれています。また、胃液の分泌やだ液、消化酵素の活性化を促進して消化を助ける効果が期待できます。わさびは、薬味としてお刺し身やおすしには欠かせません。また、酒かすに漬けたわさび漬けはツーンとした香りが効いておいしいですね。香りは揮発性なので、使う直前にすりおろすのがよいでしょう。ぬらしたキッチンペーパーなどで包み、ポリ袋に入れて冷蔵保存できますが、なるべく早めに使いきりましょう。

 ▼△選び方ポイント▼△
 みずみずしく緑色の濃いものが新鮮です。根元から先端まで、全体に太さが同じものを選びましょう。ゴツゴツとしたイボ同士の間隔が狭いものほど肉質がち密で、風味や辛みも良好です。

 木の芽
───────────────────────────────2008/05/23
 料理にすがすがしい香りと緑の彩りを添える木の芽は、「小粒でピリリと辛い」山椒(さんしょう)の若芽。ピリリと辛いだけあって、英名はジャパニーズ・ペッパーと言います。縄文時代の土器から山椒が発見されており、はるか昔から日本人に用いられていたようです。栽培されるようになったのは明治以後で、それまでは山野に自生するものを摘み取って使っていました。
 山椒の葉には独特の芳香があり、実にはさらにピリリとした辛みが加わります。
 黄色い花をつける「花山椒」は汁ものの香りづけに、熟す前の青い実である「実山椒」はゆでて佃煮にするほか、熟した実の皮を粉にした「粉山椒」はうなぎのかば焼きに欠かせませんね。また、山椒の木は堅いので、すりこ木に使われています。
 春の料理の香りづけと彩りに欠かせない木の芽は、あしらいものとしてトッピング的な役割が多いのですが、木の芽を主役にした郷土料理もあります。身欠きニシンとたっぷりの木の芽を酢じょう油に漬けた、福島県会津地方の「ニシンの山椒漬け」。木の芽が腐敗を防いで保存性を高めるのと同時に、すがすがしい芳香により、ニシンの生臭さを消し、ご飯にもお酒にも合う一品に仕上がっています。酢の効果により、ニシンの小骨がやわらかくなり、魚のたんぱく質のほかに骨のカルシウム分までとることができます。
 ニシンの山椒漬けは、家庭ごとに少しずつ味付けが異なるものの、どこの家にも「ニシン鉢」という専用の漬け物鉢があると言われるほど、親しまれている郷土料理なのです。

 ■香りもごちそうじゃないかな? 春の山菜を楽しもうじゃありませんか。
==================================================================2008/04/15
 この季節の里歩き、山歩きの楽しみの一つが、山菜ですね。背比べをするようにすくすく伸びたツクシの群生を足元で見つけたり、頭上でタラノメが陽光に輝いていたり…。初夏をおう歌する瞬間ですね。

 でも、わざわざ里山に行かなくても、家の近所の川沿いや野原でも、山菜は見られます。都会でも、道端の日当たりのよい場所に、ヨモギの鮮やかな新芽が生えているでしょう。キク科の多年草であるヨモギは、草もちやヨモギだんごの材料として欠かせないものですが、お灸(きゅう)をするときのモグサとしても使います。お灸をしたことがない方はご存じないかもしれませんね。

 もっと身近なところでいえば、店頭でも山菜が並びます。セリ、フキノトウ、ノビル、タラノメ、コシアブラ…、気温が上昇するとともに次々と登場する山菜。店先を通りかかるたびに、「さて、今日は何が並んでいるかな」と、のぞきたくなりますね。

 見るだけでもうれしい山菜ですが、食べればさらに、喜びが広がります。一般的な野菜ももちろんおいしいのですが、山菜は、食用に作った野菜と違って、誰もが食べやすいように手を加えられていないので、自然のままの味が楽しめます。
 独特のクセやアクなど、大人だからこそ満喫できる味が、山菜にはあふれていると言ってもいいでしょう。

 特に、山深い場所に生える山菜ほど、風味がよいと感じることが多いようです。この味わいの秘密は、雪にあるのだそうです。降るごとに積もっていく雪の重さで、地面は押し固められていきます。このときに、たっぷりと水分を吸収して、おいしさの源を蓄えていきます。そして、雪が解け出すと一斉に、元気よく新芽を出すのです。

 山菜の魅力に独特のクセやアクがありますが、アクの強いものは、クセや香りを活かしながら、「アク抜き」などの下処理を行います。例えば、特にアクが強いとされるワラビやゼンマイは、昔は、手のひらに山盛りの木灰を振りかけて容器に入れ、熱湯を注いだうえに押しぶたと重石を載せて一晩寝かせたあと、ゆでて、流水にさらすのが一般的でした。木灰が手に入りにくい最近は、重曹でアク抜きをすることが多いようです。
 天ぷらにする場合は、大抵の山菜はアク抜き不要ですし、店で売られているものは、最近ではアク抜きの必要のない場合もあるので、お店の人に聞いてみましょう。

 山菜料理を1品加えるだけで、食卓に季節感があふれます。ぜひ、ご家庭でお試しください。

 ハーブ栽培
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2008/03/05
 ハーブティーを供するカフェが増えたり、ミントやラベンダーなどのエッセンシャルオイルを使ったアロマテラピーがブームになったりと、ハーブがずいぶん身近になってきました。ハーブには、さまざまな効果が期待できるので、注目が高まっています。春は、ハーブ栽培に適した季節。広い庭がなくてもベランダで簡単にできるハーブ栽培について調べてみました。

★ハーブが元気に育つための5つの基本条件とは。
1.日当たり…基本的にどんなハーブでも、十分、日に当てることが大切。光合成は主に午前中に行われるので、特に午前中にたっぷりと日に当てましょう。
 ただし、直射日光が照りつけるところは避けて置いてください。やわらかな日ざしが差し込むような場所が適しています。

2.水やり…水は欠かせませんが、与えすぎても根腐れを起こしてしまいます。
 春と秋は1日1回、夏は朝夕の2回、冬は2〜3日に1回が目安です。ただ、ハーブの原産国によって異なります。例えば、ラベンダー、ローズマリー、タイムやセージなど、地中海地方原産のハーブは、乾燥気味のほうがよい場合もあります。土の表面が乾燥して湿り気がなくなったら、ハーブが水を欲しているときです。あまり、回数にこだわりすぎず、土の状態を見て適宜行ってください。

3.風通し…一般的に高温多湿を嫌います。必要以上の湿気は、葉や根が傷み、害虫の原因になります。ベランダなど風通しのよい環境で育ててください。また、育ってきたハーブは収穫を兼ねて、せんていを行い、葉や枝が密集しすぎないよう気を付けましょう。

4.土…水はけがよく、適度な通気性と湿気がある土がよいですが、ホームセンターや園芸専門店などには、ハーブ栽培専用にブレンドされた培養土が売られています。それを使えば便利ですし、失敗することも少なくなります。また、腐葉土を加えて通気性を確保することもよいでしょう。

5.肥料…窒素、リン、カリウムの3つが含まれるものを必ず選んでください。

★苗を鉢に植える
 ハーブ栽培が初めての方は、ホームセンターやフラワーショップで売られているビニールポットの苗を購入して、鉢に植え替える方法が一番簡単でオススメです。鉢植えにすると、室内に移動して温度を調節できる利点もあります。鉢は、水はけのよいテラコッタ(素焼き)がいいでしょう。サイズは、ビニールポットより二回りほど大きなものを。大きすぎても小さすぎても、根はうまく成長しません。苗は、葉がイキイキして茎がしっかりしたもの、株元がぐらつかず、根がしっかりと張っているものを選んでください。

★寄せ植えをしてみる
 数種類のハーブを1つの鉢に植える「寄せ植え」は、華やぐだけでなく、自分の好みでいろいろな組み合わせを楽しめるので、とても人気があります。ただ、原産国が異なるハーブを組み合わせると、水やりや日当たりなど、手入れの調節ができなくなるので、似た環境を好むハーブを組み合わせるようにしましょう。また、ミントを組み合わせる場合、根が勢いよく張ってしまうので、麻など自然素材のネットで仕切って植えるようにしてください。

★初心者にオススメのハーブとその楽しみ方
5つの基本条件を踏まえたうえでの注意点と、楽しみ方を紹介します。

●ナスタチウム…極端な暑さを嫌うので、夏を上手に乗り越えられるかどうかがポイント。明るく涼しい場所が適していますが、直射日光は避けましょう。
 ナスタチウムのピリッとした味は、サンドイッチに入れるとマスタードやコショウの代わりになりますよ。赤や黄色の美しい花は、サラダに入れると彩りも鮮やか!

●ミント…丈夫で手間いらずですが、梅雨時から真夏にかけて、せんていを行い、通気性を確保しましょう。ケーキやアイスクリームに少しあしらうだけで、グッと特別感が出ます。お茶にするのもオススメ。我が家にも植えています。

●レモンバーム…暑さにも寒さにも比較的強いハーブ。夏は、葉がたくさん増えて蒸れてしまうので、どんどん収穫しましょう。レモンの香りを生かして、サラダや料理の風味付けにぴったり。リラックス効果や発汗作用があるので、入浴剤としても利用できます。

●ローズマリー…暑さや乾燥、虫にも強く丈夫です。肉の臭みやクセがローズマリーの香りで消え、脂肪燃焼を助ける作用もあるので、肉料理に多く使われます。乾燥させて、ポプリとしても利用できますよ。

 ハーブは生命力や繁殖力が強く、思いのほか育てるのが簡単なのだそうです。収穫して使い切れなかった分は、自然乾燥させ、食品用の密封袋に入れて、冷蔵庫で保管。3か月を目安に使いましょう。3か月で使い切れそうにない場合は冷凍庫へ。収穫後約1年は、ハーブティーや入浴剤などに利用できます。春の事始めに、ハーブ栽培はいかがでしょうか?

※ハーブの種類によっては過剰摂取による弊害も報告されています。ご自身で 判断のうえ、摂取するようお気を付けください。

 「ニンニク」  冬こそ上手に生かしたい健康パワー
==================================================================2008/02/07
 鍋料理が恋しくなる冬の夜。 皆さんのご家庭の定番鍋料理は、どのようなものですか?今夜は、隠し味に「ニンニク」を効かせたお鍋はいかがでしょうか?
  さまざまな健康パワーを持つことで知られる、ニンニク。独特のにおいが、食が細る夏場の食欲増進にも威力を発揮してくれますが、それ以上に、冬こそ見逃せない効用もいろいろとあるようです。

 ニンニクのにおいの元となっているアリシンは、最も早くからその効用が注目されてきた成分です。アリシンには、強力な殺菌・抗菌作用があって、コレラ菌やチフス菌、赤痢菌などにも抗菌力を発揮すると言われています。また、インフルエンザのウイルスにも有効だという説もあるようです。
 食べるだけでなく、傷を負った患部にニンニクの絞り汁を塗るとか、薄めてうがい液にするといった使い方もあるようです。ニンニク汁のうがいは、細菌やウイルスがのどの粘膜で繁殖するのを抑える効果があって、風邪のひき始めなどに有効なのだとか。
 アリシンにはほかにも、腸内の悪玉細菌の活動を抑えて腸の活動を正常化する働きや、ストレスを抑えて鎮静効果を促す抗酸化作用などもあるようです。

 アリシンを加熱するとアホエンという物質に変わるのですが、そのアホエンには抗血栓作用や、血中の悪玉コレステロールを分解してコレステロール値を下げる作用があると言います。つまり、ニンニクを食べると、血液がサラサラになって、脳血栓や心筋梗塞、動脈硬化などを防ぐ効果も期待できるというわけです。

 アリシンはまた、ビタミンB1と結びつくことで、アリチアミンという物質に変化します。アリチアミンは水に溶けにくく、熱にも強いので、調理しても多くが壊れずに体内に吸収されます。
 このアリチアミンは、ビタミンB1を単体でとるのに比べて、より効果的にビタミンB1が持つ働きを発揮してくれるのだそうです。ちなみにビタミンB1は、糖分の分解に欠かすことのできない栄養素で、疲れにくい体をつくったり、体内の疲労物質を取り除いたりする働きがあると言われています。
 ですから、ビタミンB群を多く含む豚肉やレバー、カツオなどと一緒にニンニクを食べるのは、ニンニクの健康パワーをうまく活用する効果的な食べ方でもあるのです。

 アリシン以外にも、ニンニクには、抗がん作用があると言われるゲルマニウム、さらにビタミンCやカルシウムなどの栄養素も含まれているそうです。

 最近のアメリカでの研究からは、ニンニクには血管を広げて血流を促進する効果があるので、心臓など循環器疾患の予防や治療にも効果が期待できるのではないか、といった報告もなされています。

 寒い冬は、どうしても血流が悪くなりがちです。肩こりや冷え性なども血液が滞ることで症状が重くなります。また、急激な温度差で血管が収縮して、心筋梗塞や脳卒中を起こしやすい季節でもあります。そうした症状に、ニンニクのさまざまな成分が良好に作用するというのです。だから、冬こそニンニクの健康パワーを上手に活用したいもの。
 でも、だからといって、1日に大量のニンニクを食べたりするのは要注意。特に胃腸の弱い方は、ニンニクをとりすぎるとかえって胃腸を痛めて、消化吸収が悪くなってしまうことがあります。豚肉のお鍋で、隠し味にニンニクを使うなど、ニンニクをとるなら1日2〜3片くらいを目安にしてみてはいかがでしょうか。

  「山いも」  =栄養豊富なネバネバ=
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 山いもには、日本の山野に自生している「自然薯(じねんじょ)」やイチョウの葉のような形をした「いちょういも」などがあります。
 山いもはでんぷん消化酵素のジアスターゼ(アミラーゼ)が豊富なので、消化吸収がよく、生で食べても大丈夫。ネバネバ成分のムチンには、たんぱく質の吸収を高める働きがあるため、栄養効率がよいといわれています。また、体内の粘膜を保護する作用もあるといわれ、胃腸にもやさしい野菜です。ムチンの持つたんぱく質分解酵素は熱に弱いので、すりおろしたり刻んだりして生で食べる方が効果的でしょう。ほかにも、亜鉛・カリウム・鉄などのミネラル成分やビタミンB1・Cなどをバランスよく含んでいます。カリウムには、体内の余分な塩分を体外に排出する作用があり、高血圧や動脈硬化などの予防に役立つといわれています。
 山いもは空気に触れると変色するので、皮をむいたらすぐに酢水につけましょう。使いかけのものは、切り口が空気に触れないようにラップで包み、冷蔵庫で保存します。すりおろしてとろろ状にしたものを冷凍保存しておくと、手軽に使えて便利です。

【山いものおろし方】
http://www.tepore.com/hyper/rcp/c.p-advg.com/adpCnt/r?mid=776876&lid=10

【すりおろした山いもの冷凍保存】
http://www.tepore.com/hyper/rcp/c.p-advg.com/adpCnt/r?mid=776876&lid=11

▼△選び方ポイント▼△
 皮がなめらかでひげ根が少なく、ふっくらと太くてまっすぐ伸びたものが良品です。切って売られているものは、切り口が白いものを選びましょう。

 漢方薬を知って上手に使いこなしましょう。
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 最近、多くの医師が積極的に処方するようになった漢方薬。なんとなく興味はあるけれども、西洋医学の薬(=西洋薬)よりも効かないのでは?長い期間飲み続けなければいけないのでは?と思っている方も多いと思います。

 ■生薬が組み合わされたものが漢方薬
 漢方薬とは、自然界に存在する草の根や木の皮、種子などからなる生薬を組み合わせた治療薬。例えば、よく知られている葛根湯(かっこんとう)という漢方薬は、葛根(かっこん)、生姜(しょうきょう)、桂皮(けいひ)など7種類の生薬から成ります。葛根湯のみならず、生薬の組み合わせは約1,800年も前に書かれた中国の古典書物などにのっとって行われ、驚くことに、そこに書かれた処方と現在の処方の中身を比較してみるとほとんど大差がないんですよ。それだけ、長年、安全に利用されてきたという証しではないでしょうか。

 ■漢方薬はれっきとした治療薬
 漢方薬は、民間薬だとお思いの方も多いと思いますが、日本では治療効果が認められた薬です。近年では、日本全国のほとんどの医学部で漢方医学に関する講義が行われるようになり、医師にも、その効果が浸透、大学病院や総合病院では漢方外来を設けるところが増加しています。日経メディカル誌漢方薬使用実態調査によれば、医師の約7割が漢方薬を使うようになっているので、一般の病院や診療所でも処方してもらえるようです。

 ■西洋薬と漢方薬の違いについて
 西洋薬の多くは、有効成分が単一で即効性があるため、感染症の菌を殺す、熱や痛みを取る、血圧を下げるといったひとつの症状や病気に対する治療に適しています。一方、漢方薬は複数の生薬の組み合わせにより、多成分でさまざまな効能を持っています。そのため、慢性的な疾患や生活習慣病、アレルギー疾患やストレスをはじめとする精神的な影響によって引き起こされる病気など、さまざまな要因が複合的にあわさって症状として現れるものに効果が期待できます。また、西洋医学では病名で薬を決定するのに対して、漢方医学では、患者個人個人の症状や体質、そのときの体調に合わせて処方を決定します。同じ症状を持った患者の間でも異なる漢方薬が処方されることもあるし、ひとつの漢方薬がいろいろな病気に応用されることも。つまり、漢方薬は個人個人に処方される注文仕立ての薬といえるでしょう。

 ■漢方薬には即効性がない?
 「即効性がないので、長い間飲み続けなくてはいけない」というのは、よくある誤解。漢方薬でも、風邪の初期に使用する場合の葛根湯のように早く効果を得られるものもあります。逆に、長い間飲んでいても効果が現れないときは、処方が症状にあってないことも。その場合は、医師に相談をした方が良いようです。

 ■漢方薬の飲み方
 従来、漢方薬は生薬をせんじて飲むことが多かったのですが、それでは手間がかかるので、現在では1回分ずつ小分けにされたエキス製剤が広く使われています。成分は変わりませんが、なるべくせんじた状態に近い方がいいので、お湯に溶かして飲むか、ぬるま湯で飲むのがオススメ。服用時間ですが、漢方薬の多くは、腸内細菌によって、吸収されやすい形になり効果を現すので、空腹時に飲んでください。つまり、服用時間は、医師や薬剤師から特別な指示がない限り、食前(食事の30分前)または食間(食事の2〜3時間後、食事と食事の間)です。

 ■漢方薬の注意点
 西洋薬と漢方薬はそれぞれ得意分野が異なりますが、対立するものではないので、基本的には併用もできますが、注意は必要です。医師と相談の上、飲みましょう。また、漢方薬の安全性は科学的に証明されていますが、ときとして副作用が出る可能性も。その場合は、すぐに医師や薬剤師に相談してください。

 漢方薬について知ることが漢方薬を上手に使いこなすコツだと思えます。漢方薬は値段が高いというイメージがありますが、実は健康保険も使えます。漢方薬を使用する場合は、正しい飲み方や特徴をしっかりおさえて取り入れてください。

 ◆銀杏 ぎんなん ギンナン◆
   酒のつまみに良く合う銀杏。 (茶碗蒸しによく入っているあの銀杏ですよ。)
          おいしいからと言って、食べ過ぎると【銀杏中毒】になるので気をつけて下さい!
アルカロイドという成分のため食べすぎには注意が必要です。大人で1日10粒くらいです。子どもは5粒まで、5歳以下のお子ちゃまは食べないこと。(銀杏って大人の食べ物なんですね〜。)
そんな銀杏にも

  
高血圧の人には血圧降下作用。(血圧の適正化)
  
低血圧の人には血圧上昇作用。(血圧の適正化
  
疲労回復・滋養強壮・咳などに効果があるそうです。

 喘息の方が、医者から「ぎんなん」を勧められるケースが増えているそうです。銀杏は、薬ではなく食べ物ですが、気管を正常に保つ食べ物として、昔から重宝されていたようです。
 風邪のひき始めなど、咳が出て止まらない時に、銀杏を食べると、4〜5時間後位からゆっくりと効き始めます。ただし、効き目は個人差がもちろんあります。 薬ではないので、過度の期待は決してしないで下さい。