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 ◇葡萄 ぶどう ブドウ 
   岡山県のぶどう栽培の歴史は古く、マスカット(品種名はマスカット・オブ・アレキサンドリア)をはじめ明治時代から日本有数の産地として有名です。
 冬場に、実をならせて終わった枝を元まで短く切り込んでしまう「せん定」は「短しょうせん定」と呼ばれ、岡山県独特のものであると言われています。春に発芽してきた枝には果房になる花穂がつき、花穂には小花がたくさんあり、その1つ1つがぶどうの粒になります。ぶどうは棚栽培が一般的で、春から初夏にかけて枝を棚に取り付ける作業、花穂の形を整える作業、粒の間引き、袋かけといった作業が集中します。
 また、ハウス栽培が多いのも岡山県の特徴の一つで、4月から11月までの長期間に渡って生産された果実は贈答用などに全国へ出荷されています。
 岡山県内の主な生産地は、井原市、岡山市、倉敷市、高梁市、新見市、赤磐市などです。
 古くから多くの品種が栽培されていますが、現在の主要な品種は、「ピオーネ」、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」、「マスカット・ベリーA」などです。「ピオーネ」と「マスカット・オブ・アレキサンドリア」は岡山ブランド農林水産物に指定されています。

  平成17年産の生産量は約14200トンで全国4位、栽培面積は1230haで全国5位です。このうち、「ピオーネ」と「マスカット・オブ・アレキサンドリア」は全国1位のシェアを誇っています。
 ぶどうの実は、カリウム、カルシウム、リンなどの含有量が多く、皮にはポリフェノールが多く含まれている事はみなさんもご存知のことと思います。皮も原料にする赤ワインは健康食品として評価されています。
 おいしいぶどうの見分け方は、軸が緑色で、実にはりがあり、実の表面に「果粉(かふん)」と呼ばれる白い粉が付いているものが良いです。
 以前、「果粉」を知らない人から、「ぶどうの粒に白いカビのような白い粉が付いている。」と返品された事があります。「果粉はおいしい証拠なんですよ。」と説明をしたのですが、残念なことにその人には分かってもらえない事がありました。

 ◇無花果 いちじく イチジク
  いちじくは江戸時代に日本で作られるようになり、温暖で雨の少ない気候に適していることから、岡山県でも明治時代から栽培されるようになりました。いちじくは漢字で書くと「無花果」と書きます。これは花がつかずに果実ができるように見える事が由来ですが、実際には、小さな実のような形をした花床の内側に多数の小花(果)が咲きます。食べる部分はこの花床が肥大した部分で、つぶつぶとした食感は小花(果)の種です。
 栽培には、水はけの良い土壌が適しており、連作障害もあることから土づくりに手間がかかります。また、乾燥にも弱いので樹の周りには敷きわらを行い、土壌表面からの水分の蒸発を抑えて作るほか、冬には枝を間引いたり、切り返して整理する「せん定」も必要です。春になると発芽した枝は勢いよく伸び、節ごとに小さな実がつき、これを「秋果(あきか)」と呼びます。前年の枝につく実は「夏果(なつか)」と呼び、秋果より一足早く熟れます。実はしだいに太り、枝の下位から順に熟す性質があります。色づき始めると急速に熟度が進む。完熟すると早く傷んでしまうので、収穫は夏から秋にかけて毎日早朝に行い、地元の市場を中心に出荷されています。
 岡山県内の主な産地は、笠岡市茂平地区、倉敷市児島地区、備前市などです。いちじくは西アジア原産で多数の品種がありますが、岡山県内で主に栽培されている品種は、江戸時代に伝わったとされている日本いちじくの「蓬莱柿(ほうらいし)」と、西洋いちじくの「桝井(ますい)ドーファン」です。蓬莱柿は熟すと果実の先端部が裂けるのが特徴です。新鮮ないちじくの見分け方は、実に張りがあってしなびていないもの、切り口が乾いていないものです。
 いちじくは、カルシウム、カリウム、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2を多く含んでいます。また、食物繊維のペクチンを多く含み、腸の働きをよくする効果があります。

 ◇梨 なし ナシ
 岡山県の梨栽培の歴史は古く、明治時代までさかのぼるといわれています。一般に、梨は棚に仕立てて、たくさんの支柱で支えて栽培します。梨は自分の花粉では受精しない性質があるので、実を付けるための「人工授粉」が欠かせず、果実を大きくするための「摘果(てきか)」、虫や病気を防ぐため1つ1つの実に袋をかける「袋かけ」、上に向かって伸びる枝を切る「せん定」など大変な手間がかかります。
 収穫は、早生のものでは8月から、晩生のものでは10月から11月にかけて収穫します。収穫された梨は、主に贈答用として全国に出荷されます。
 主な品種は、日本梨の「新高(にいたか)」、「愛宕(あたご)」、「豊水(ほうすい)」です。珍しいものとして、「晩三吉(おくさんきち)」や、中国梨の「鴨梨(やーりー)」が古くから岡山県で栽培されています。「愛宕」と「鴨梨」は全国1位のシェアを誇っています。
 岡山県内の主な産地は、岡山市西大寺地区、倉敷市玉島地区、浅口市金光地区などがあり井原市内でも栽培されています。  平成17年産の生産量は約2330トン、栽培面積は149haです。
 おいしい梨の見分け方は、表面がなめらかで形が整っていて、大きく重量感があるものがよいでしょう。梨の果実には約85%の水分が含まれいるほか、よく熟した実には果糖、ショ糖が含まれ、また、わずかですがリンゴ酸を主とした酒石酸とクエン酸、それと消化酵素も含んでいるので、消化を助ける働きもあります。また、解熱の効果もあるといわれています。
 岡山県で栽培される晩生の「新高」、「愛宕」、「晩三吉」は収穫後の日持ちが良いのが特徴で、貯蔵しながら追熟させます。「新高」は10月から11月、ジャンボ梨で有名な「愛宕」は11月から12月、「晩三吉」は12月から早春まで贈答用として全国に出荷されています。

 いちご
───────────────────────────────2008/03/14
 今の季節は、特にスーパーでも目立つ場所に、赤々と並べられているのがいちごです。
 老若男女を問わず人気の高いフルーツですね。 かつて、いちごは、春からが旬の果物で、店先に並び始めると、春の訪れを感じたものですが、クリスマスのショートケーキ需要を受けて、早いものでは、11月から店頭に登場するようになりました。品種改良や温室栽培の技術向上により、今では、11月〜4月ごろまでの長い間、食卓を彩っています。
 全体がむらなく赤く色づき、円すい形がキレイに整い、ヘタがシャキッとしているいちごが良品とされています。
 いちごは、ビタミンCがとても豊富な果物として有名ですね。中粒サイズのいちご7〜8粒ほどで、成人が一日に必要なビタミンC(食事摂取基準推奨量はおよそ100mg)をとることができると言われています。
 ビタミンCは水溶性なので、ヘタを落としてから洗うと、切り口からビタミンCが損なわれるので、洗ってからヘタを取りましょう。ビタミンCは、冷凍しても損失しにくいので、冷凍保存するのもオススメです。冷凍のまま牛乳とともにミキサーにかければ、いちごのスムージー(シャーベット状のドリンク)が簡単にできますよ。
 さて、皆さんは、いちごをどの方向から口に入れていますか?食べやすいので、先端から召し上がっている方が多いのではないでしょうか?いちごは、先の方に甘さが集まるので、ヘタ側から食べたほうが、最後に甘さが口に広がって、おいしく食べられます。ぜひ試してみてください!

 いちごは、全国で約100種類も栽培されているそうです。市場に流通しているのは20〜30種とされていますが、それにしても品種の多い果物と言えますね。長い間、東の「女峰(にょほう)」と西の「とよのか」が横綱クラスでしたが、近年では、「章姫(あきひめ)」「さちのか」などが台頭しています。
 ここ数年、酸味のあるものより、甘くて赤い、大粒のいちごが好まれるようになり、その需要を受けて誕生したのが、愛知生まれの「アイベリー」。普通のいちごの2〜3倍もの大きさで、色・形・味・香りも格別。大きさだけでなく、値段の高さにも注目が集まりました。
 ニューフェイスも続々登場しています。福岡生まれの「あまおう」は、赤いの「あ」、丸いの「ま」、大きいの「お」、うまいの「う」が、その名の由来。
 静岡生まれの「紅ほっぺ」は、「章姫」と「さちのか」の交配種で、酸味と甘みのバランスが絶妙と言われています。
 珍しい品種としては、徳島県佐那河内村だけで収穫される「ももいちご」。その名が示すとおり、桃のように丸みを帯び、桃のように果汁たっぷり。生産農家が少ないので、希少価値が高く「幻のいちご」とも呼ばれています。
 さらに、珍しいところでは「白いいちご」。山口県防府市の農家で栽培されています。赤いいちごと合わせると紅白になるので、慶事需要が期待されているとか。人気抜群のフルーツだけあって、新しい品種の開発が盛んないちご、さらなる新種の誕生に胸が膨らみますね。
 真っ赤で甘酸っぱいいちご。味だけでなく、栄養補給にもオススメの果物と言えそうですね。1月から、いろいろなところでいちご狩りが楽しめます。2〜3種類のいちごを栽培している農園もあるようなので、その種類による香りや甘み、酸味の違いを味わってみるのもいいですね。レジャーを兼ねて、旬の味を楽しみに出かけてみませんか?
 井原市内や近隣でもいちご狩りが楽しめますよ。(2008/03/11)

 りんご
───────────────────────────────2008/02/29
 りんごは、9月から出回り始め、旬となる品種を変えながら、翌年の春までおいしく食べられる果物です。現在、栽培されている主な品種は、ふじ、王林(おうりん)、つがる、ジョナゴールド、紅玉(こうぎょく)、千秋(せんしゅう)などで、皆さんにもおなじみでしょう。
 最近の品種といえば、つがると千秋を交配させた秋映(あきばえ)、ふじとつがるを交配させたシナノスイート、ゴールデンデリシャスと千秋を交配させたシナノゴールドでしょうか?これら3品種は、いずれも長野県で開発されたことから、「シナノ3兄弟」と呼ばれているそうです。
 ちなみにアップル社製のパソコン、マッキントッシュはりんごの品種名。マッキントッシュの和名は「旭」で、さわやかな酸味と薄い皮が特徴ですが、日持ちしないため、生産量が減り、現在ではほとんど出回らなくなっています。

 りんごは、食物繊維、カリウム、カルシウム、ビタミンCなどを含み、「1日1個のりんごは医者を遠ざける」と言われるほど、体によい食べ物として知られています。りんごに豊富なペクチン(食物繊維の一種)には、腸の働きを正常化する作用があるので、便秘のときも、下痢のときも、りんごを食べるといいです。
 また、このペクチンは、アレルギー疾患の予防に有効だという報告もされています。花粉が飛散し始め、アレルギーが気になる季節、1日1個のりんごを試してみてはいかがでしょうか?

 ■冬場のナシ
───────────────────────────────2007/12/07
 冬においしい「にっこり」というナシをご存じですか? 栃木県農業試験場で、晩生種「新高(にいたか)」と中生種「豊水」を交配して育成され、1996年に「にっこり」の名で品種登録されました。親しみやすい名前の由来は、栃木県を代表する観光地「日光」と、ナシの音読みである「り」または中国でナシを「リー」と呼ぶことを組み合わせたものだそう。
 主な和ナシは9月ころから収穫が始まりますが、「にっこり」の収穫時期は10月下旬〜11月。しかも日持ちが大変いいので、室温(冷暗所保管がオススメ)でお正月ごろまでおいしく食べられるという、画期的なナシなのです。
 もうひとつの特徴はその大きさ。1玉700g〜1kgもあり、おなじみの「幸水」と比べると、2〜3倍あります。大玉にありがちなガリガリした果肉ではなく、軟らかでジューシー、甘みもしっかり。大玉で糖度の高い「新高」と、糖度と酸度のバランスが良く、軟らかくて果汁の多い「豊水」、両方の長所を受け継いでいます。
 3年ほど前から香港へ輸出をスタートし「丸くて黄色く大きなものは、縁起がいい」として、人気を呼んでいます。日本でも、大玉で日持ちがいいことから、年末年始の贈答用としての需要が伸びているそうです。冬の寒い日、暖かい部屋でナシを楽しめるのも、農業技術発展のおかげですね!

 ■ラ・フランス
───────────────────────────────2007/11/30
 ヨーグルト、ゼリー、アイスクリーム、キャンデー、ガム、チョコレートといった食べ物から、紅茶、酎ハイ、カクテルなどの飲料まで、ラ・フランス風味の飲食物をよく目にします。いまや人気のフルーツフレーバーのひとつで、洋ナシといえばラ・フランスといった感がありますね。
 ラ・フランスはその名のとおり、フランス原産の洋ナシで、明治時代に日本に伝わりました。「そんなに昔からあったの?」と驚く方も多いかもしれません。
 果物は一般に、完熟を待って収穫したものを新鮮なうちに食べるのがおいしいとされますが、洋ナシ種は、木の上ではおいしく熟しません。木から離れてから成熟するので、収穫後、日数をかけて追熟(ついじゅく)させることが必要です。
 ラ・フランスが食卓に登場するようになるまで時間がかかったのは、この追熟処理の難しさが一因と言われています。
 「1週間待っても全然軟らかくならない」そんな経験のある方、冷蔵庫にずっと入れていませんでしたか?ラ・フランスの追熟の適温は15〜20度とされます。紙袋などに入れて適温くらいの室温に置き、軸の周辺が少し軟らかくなって香りが強まったら食べごろ。冷蔵庫で1〜2時間ほど冷やしていただきましょう。生産量のトップは山形県で、全国の出荷量の8割近くを占めています。
 11〜12月にかけて多く出荷されるラ・フランス、まさに今が旬です!

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