吹奏楽部に入っている長女が、コンクールに出るということで、鑑賞に行ってきました。
このコンクールは岡山県西部地区の予選も兼ねており、各校が課題曲と自由曲の2曲を演奏して競い合い、西部地区からは4校が県大会に進出できます。
ちなみに、娘の学校は、もう何年出ていないか誰もわからないくらい県大会には出れていません。
私は音楽には詳しくないのですが、課題曲の演奏を聞いた時には、他校の方が上手に思えて、正直言って『こりゃ今年もアカンな。』と思いました。
自由曲も他の学校と比べたら、選曲が祭り囃子のようで、横笛や和大鼓が出てきたりと、明らかに異色でした。
おまけにラストシーンの間際には、最前列のサックスの子が楽器を分解清掃しだすという理解不能な行動を取ります。
『ん…、故障?。』と思っていたらその刹那、最後の最後にその子がサックスを組み立て、クライマックスからのフィニッシュに、『ブォ〜〜〜〜〜ン……』と長い長い一声を放ち曲は幕を閉じました
そうです、その子は曲の最後の締めを完璧に飾るべく、自分の楽器を清掃していたのでした。
仕込み・ノリ・ツッコミが完璧で上手な漫才を見ているような、九回裏にサヨナラホームランが出たような、長年土の中にいたセミの幼虫が一瞬の為に地上に出てきたような、ドラマチックな最後でした。
表彰式、まあいつもどおり銅賞か銀賞だろうと思いながら見ていると、審査員の口から出た言葉は『ゴールド金賞!』でした。
金賞4校の中でも上位2校には、ゴールドという冠が付きます。
前述のとおり、私は全く音楽には詳しくありません、採点基準や何故選ばれたのかはハッキリ言って全くわかりません、しかし、上手い下手は抜きにして、見ていてドラマを感じたのは我が娘の学校でした。
団結し、そして個々が一瞬一瞬を大切にすることによって得た金賞なのでしょうか。
表彰式では、結果を聞いて歓喜する者、抱擁し合う者、ここで夏が終わり号泣する者…、目の前で新しいドラマの始まりや終わりが繰り広げられていました。
地味な部活動だと思っていた吹奏楽部も、高校野球のような清々しいドラマを見せてくれるのだなと思った一日でした。 |