訪問診療

 わが国の人口の高齢化は、早いテンポで進んでいます。こうした高齢化のなかで、寝たきり、痴呆性老人等の要介護老人に対する歯科保険、歯科医療の必要性が、あらためて問われています。
 当医院では、診療室とほぼ同じレベルの診療を往診の現場で行っています。ひとりでも多くの人に自分で噛んで食生活が送れるようになっていただきたいと願っています。



歯科訪問診療車 往診用機材
ポータブル切削器械 電動歯ブラシ

歯科の往診は誰でも受けることができるのですか?
居宅、病院、老人保険施設、特別養護老人ホームなどにおいて療養を行っている患者であって通院が
困難な人は往診の依頼をすることができます。

歯科の往診は保険でできるのですか?
すべて保険診療の扱いです。医科の往診と全く変わりません。

往診の依頼はどうすればよいのですか?
保険医協会の「歯科往診相談医」に登録している当医院では窓口で相談に応じています。気軽に相談して下さい。

往診でどんな治療でもできるのですか?
歯の痛みをとったり、入れ歯を作ったり、歯を抜くこともできます。当医院では、在宅用の治療器具が備
わっていますので、全ての治療に対応できます。虫歯や入れ歯で困っていたら気軽に往診の依頼をして
下さい。

いつでも往診してくれるのですか?
できるだけ早く往診に伺いますが、診療時間外にでかけていくようになりますので事前に時間の確認をさ
せて下さい。

往診を受けるときは家でどんな準備が必要ですか?
特別な準備は必要ありません。


口腔ケア
口腔ケアとは、(口腔の疾病予防、健康の保持、増進、リハビリテーションによりクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上を目指した科学であり技術であると考えています。)

腔ケアの具体例
@ 口腔清掃 I 歯肉・頬部のマッサージ
A フッ素化合物の塗布 J 咀嚼筋、口腔周囲筋、舌の運動
B 義歯の装着と手入れ K 口唇の痛み、乾燥、ひび割れ、出血の防止
C 咀嚼 L 好ましい咬合の育成、維持
D 摂食・嚥下 M リハビリテーションとしての言語訓練
E 口臭の除去 N 栄養方法の検討
F 口腔乾燥の防止 O 口腔内の観察
G 口腔の痛みの軽減 P 口腔の美容
H 口腔出血の痛み Q 歯科検診、歯科受診への誘導


口腔ケアと全身症状改善の実際例

  対象者   : 男性  84才

  全身疾患名: うっ血・高血圧・狭心症

  家族状況  : 妻(痴呆・歩行障害有り)と2人暮らし

  口腔内状況: 上顎12本(残根6本)・下顎5本(残根2本)うち8本動揺度(I)

  全身状態  : 開口量5mm、体力・気力減退、体重33kg、歩行困難

  介護状況  : 内科医訪問診療(週1回)、ヘルパー毎日訪問


◎ 訪問看護(ケアマネージャー)の依頼で、H16・6・18に往診。
   歯が痛くて何も食べようとせずビールだけを飲んでいる生活で、体重が33kgまで激減。
   体力も気力も無く、歩くことも困難な状態。こちらの問いかけに答えることもない。
   大量の内科の薬を服用中。口腔内診査の為 開口を求めるが、開口量が約5mmとほとんど開
   かない状態で開口量が約5mmとほとんど開かない状態で、顎関節部の筋肉の硬直・圧痛を認
   める。
   この症状を改善するための治療として2日目よりデント・エラック給吸ブラシを用いて口腔内清掃
   を行う。

この器具は給水しながら強力な吸引能力
 があるため、むせや誤嚥の危険性がない。

 筋硬直改善のために温湿布により開口筋と閉口筋の筋肉マッサージ)と開口訓練を行う。
3回目・4回目・5回目と口腔内清掃と開口訓練を行うことで開口も徐々に増大し、6回目の口腔内清
掃後の開口量は約20mm。食事も大きなスプ−ンが口の中に入るようになり、お茶・ジュース・プリン
などが食べられ、ストローも使えるようになった。

 今回の口腔ケアにより、歩行も一人ででき、笑顔でこちらからの問いかけに応じることができるまで
に回復。一人でブラッシングをするところまでは至ってないが、衰えた機能を甦らせ、肺炎を起こすこ
ともなかった。
この患者さんのこれからの目標は、口腔ケア・開口訓練を行い開口量をあげ、う蝕の治療・義歯作
成装着。.そして本人による自立ができる様に応援をしながら見守っていきたい。

 今回の症例は、訪問看護師・訪問介護士・ヘルパー・医師・歯科医師・歯科衛生士の連携により、
衰えかけていた機能を蘇らせることのできた症例である。

 今後、さらなる改善が期待できる。


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