中和神社

真庭市蒜山下和に鎮座されています。
宇宙ファンの皆様には「聖地」と言っても良い場所でしょう。
今回は読み物がメインです。


JAXA:宇宙航空研究開発機構様のISASメールマガジン
第458号(2013年7月2日発行)より抜粋。


こんにちは、はやぶさ2イオンエンジン担当の細田です。
先日、岡山県真庭市の『中和神社』に参拝して来ました。「はやぶさ」をご存知のかたはピン!とくる名前です。
というわけで、今日は神仏に関するお話を少しさせて頂きます。

≪中略≫

ではイオンエンジン縁の神社はどうでしょうか?

実は「はやぶさ」が地球帰還する直前に参拝した神社があります。

地球帰還の大詰め、エンジンAの中和器とエンジンBのイオン源をタスキ掛けで組み合わせる「クロス運転」を始めました。
イオンエンジンは、イオン源から噴出されるプラスの電荷を持ったイオンと等量の電荷の電子を
同時に放出しなければなりません。
このバランスが崩れると、せっかく苦労して放出したイオンが戻ってきてしまい、推力を発生させることが出来ないのです。
クロス運転による中和はイオンエンジンを動かす最後の手段でした。


クロス運転を初めて一息ついた頃、川口先生はメンバーに向かって
「電子とか中和という名の付く神社は無いか?」
と尋ねたそうです。これに対して私の上司である西山先生が、岡山県の山奥に「中和神社」を発見して報告すると、
週明けにはそこで戴いたお札が管制室のイオンエンジン当番のキーボードの前に置かれていて
非常にびっくりしたのを覚えています。


本当は、中和と書いて「ちゅうか」神社と読むのですが、果たせるかなイオンエンジンは完走し、
その霊験あらたかさは我々が身を持って知るところです。


この中和神社、地元では「くるまどさん」の愛称で、牛馬の守護神として崇敬されているようです。
神社の境内には牛の絵が祀られれいました。主祭神は久那止神(くなどのかみ)で、
伊邪那岐命が黄泉の国から帰る時に、黄泉比良坂を大きな岩で道を塞いだ古事があり、
この時の岩をつかさどった神が久那止神だということです。
中和の名前で訪れた神社ですが、「はやぶさ」の帰路の安全にはこれ以上無い神様だったということです。

≪中略≫

中和神社では宮司さんにもお集まり頂き、
現在開発中の「はやぶさ2」の道中安全を祈念した祝詞をあげていただきました。
代表して玉串を奉納させて頂きましたが、まだ「はやぶさ2」の完成に向けて全力投球中の身ですので、
敢えて祈らずに、頑張るという誓のみをたてて参拝しました。
まだやれることがあるうちは祈る前に頭と手を動かしたい。そんな気持ちからの行動です






では中和(ちゅうか)神社を参拝しましょう。
場所は色々な観光地に行く道中の近場にありますが
駐車場を確認できませんでしたので、今回はスナップ写真だけになります。



駐車場問題と共に、学校の校庭と一体化していますので
平日は申し訳ない気持ちにもなり、道路からお詣りしました。



では数枚の写真を。







樹齢400年を超えると言われる杉の大木が
ものすごい存在感を醸し出していました。


拝殿は望遠レンズ撮影です。





次回は休日に参拝しましょう。


この前の道を進んだところに山乗渓谷があり
見事な滝と流しそうめんが楽しめますのでお忘れなく。