旧店舗化粧直し

実は我が家は、少し前まで両親が商売を営んでおりました。
しかし父親の死去と郊外型ショッピングセンターの進出などを期に
廃業いたしました。
昔ながらの板戸は締め切ったままでしたが、長年の風雨により
最近痛みが目立つようになりました。
商店街に面しておりますので、何とか見苦しくないように改造しました。

右の写真が我が家です。
ベニヤ板は剥がれ、戸車は錆びついてまったく動きません。
それどころか、実は板戸も外れなくなっていて
最初から予想外の連続です。
何はともあれ、現状を知ることが1番!
各部の寸法を測り図面化しました。
本日は2004年2月8日。
いよいよ作業開始です。

ちなみに自宅ではJW-CADを使用しています。
仕事ではまた別なやつです。時々混同しますね。
まず最初に、板戸の修理です。
錆びついた戸車を交換しようと思いましたが
すでに底の部分の木が腐りかけていたので
うまく固定できそうにありません。
考えたあげく、アルミアングルを加工して戸車を取り付け
それを板戸に固定する方法を取りました。
板戸の底の腐っている部分を切り取り
アルミアングルを取り付けます。
昔の板戸は大工さんの芸術というか何と言うか
はめる場所と収まる場所が別々で
しかも収まる場所では外すことが出来ないという
摩訶不思議な構造です。
素人の浅知恵

板戸の張替えを後回しにして
出入り口の補修に入ります。
アルミ玄関はインターネットのオークションで手に入れました。
初めてのオークションでしたが、とても気持ちの良い取引でした。
しかし最初の写真にあるように玄関を取り付ける柱はありません。
改めて柱を立てる必要があるのですが、
必要な長さの芯材をホームセンターでは売っていませんせした。
しかたなく柱材を継ぎ足すことにしたのですが
ノコギリでまっすぐに切断するというのは素人には
なかなか難しいのです。
そこで前出のアルミアングルの残りで案内を作り
それに沿って切ってみました。
そうするとどうでしょう??
写真は微調整前の物ですが、なかなかの物です。
思ったよりもいい物が出来そうです。
最終的な柱の端部はこのようになります。
専用の機械でもあれば何ていうことは無いのでしょうが
ノコギリとカッターナイフでは滅茶苦茶時間が掛かります。
特に最後に化粧板をはめ込む5ミリの溝には
いい加減飽き飽きしました。
この溝が2メートル以上も続くんです。
しかも何本も何本も・・・・・。
まずは、玄関引戸を取り付ける柱です。
ちょうどキシラデコールの残りがあり、色合いもいいので
塗装と防腐処理を兼ねて塗っておきました。

ここではやはり水平・垂直が命。
写真には写っていませんが、車のジャッキを使って
梁を持ち上げてから位置決めしました。
梁にはボルト留めが出来ますが、下側はコンクリートなので
簡単ではありません。
思い切ってコンクリートドリルを新規購入してしまいました。

柱の下には防水のためのゴムシートをはさみ
(これは仕事柄好きな寸法で自作できます)、
金具を使って固定しました。
金具・ボルトは当然ながらステンレスです。
ということで、引戸部分の完成!!

戸の角度調整も思ったほど大変ではありませんでした。
後は、鍵の交換が残っていますが、
お小遣いが無くなって来たので、また来月。

続いては、板戸の張替えです。
少し色が明るすぎるかなとも思ったのですが
今まで暗いイメージだったので
とりあえず貼ってみることにしました。
ダメなら、後で塗装します。

このお休みでは、2枚しか完成しませんでした。
残り4枚!
来週こそは完成の祝杯をあげたいものです。
今回購入した化粧板は、昔の物と比べて
2ミリほど厚い物でした。
したがって、昔のはめ込み溝にはそのまま入りません。
仕方なく、はまり込み部を削りました。
写真の白く見える部分が板を削った所です。
こう言う「ナバエ」切りは、ゴム屋の得意とする所です。
ホームセンターで購入した化粧板は
板戸の幅よりかなり狭い物でした。
写真のように、1枚では足りません。
ということで、足らない部分は継ぎ足しをしています。

ちょっと見では分からないようには出来ましたが
室内から見ると光が漏れて、継ぎ足しがバレバレです。
カナシイ・・・・・。
などなど、色々と問題はありましたが、
総額で59528円で、このような化粧直しが完成しました。
高いか安いかはご想像におまかせします。

ご近所の皆様には、結構好評です。
なんと言っても「あそこの息子は器用だネエ」と言われるのが
案外に快感だったりして・・・・・。



                                                   


一番下を引き締める、アルミアングルの1本ライン。
これがアクセントです。
これが舞台裏です。

今までの写真は、ほとんどカメラ付き携帯という
便利な物で取った写真が多かったので
画質が悪く、見難かったと思います。
と言う事で、ちゃんとデジカメで撮影しました。

左にあるのは、昔のショーケースです。
結構こんな物でも、譲ってくださいという人がいるんです。
何点かは、ご希望の値段で売却しました。
晩御飯代くらいにはなるんですよ!!!。

それと楽しかったというか困ったというか
久し振りに戸を開けましたので
近所の皆さんが懐かしがって
入れ替わり立ち代り、中を覗いては昔話。
作業しようとすると、「それは何をしちょるん」
と質問攻め。
なかなかマイペースでというわけにも行きません。
まあ、これからは日中引戸は開けておきますので
茶飲み話でもしに来てください。
内部は元店舗ということもあって結構広いんですよ。
約12坪あります。
音さえ気にならなければ、太鼓の練習だって出来ます。

普段は管理人の作業場兼自転車と釣り道具置き場ですが、
メインは下の写真の車庫となっています。贅沢???


おまけ
取り外された昔のベニヤ板は、可燃物として収集してもらうため
人力にてこのような形に粉砕されました
(こう言うネタを喜ぶ輩が多いんですよね、
人を化け物扱いするのがお好きなみたいで・・・・)
おそらくは40年以上我が家を守ってきた板戸は
ゴミ袋4袋となって、次のごみ収集日を待っています。
お疲れ様でした。

おまけのおまけ
本日(2004年4月10日)鍵の交換が完了。とりあえずはすべての作業が終了いたしました。
鍵は、母屋の玄関ではないのですが最近の情勢を考えて「WEST」のディンプル錠にしました。
物騒な世の中になったものです・・・・・