友禅画 「同天の讃ー讃仰鑑真和上」
145cmx180cm







作品の趣旨: 唐招提寺にも梵天 帝釈天像がおわすと知った時 まず仏伝中の梵天勧請が想起されたのでした。 梵天が釈迦に請うたように和上に拝した時の栄叡と普照(国命をうけて渡唐した僧)はまさに 梵天・帝釈天ではなかったでしょうか。 また法華堂の日光仏・月光仏はもとからここに安置されていたのではなく梵天・帝釈天ではないかと いう説もあるそうですが 装いはもちろんこの唐風の面差しは鑑真様ゆかりの像に思えてなりません。 天平のほの暗い内陣の中 鑑真様のお近くに寄り添うように立たれたそのままのお姿に違いないと夢想しながら図像化していきました。 ですから画面の2像は梵天・帝釈天でもあり日光仏・月光仏でもあり栄叡と普照でもあり。 彗思 聖徳太子 長屋王 鑑真和上 如宝 中興の高僧方 のみならず不惜身命の志も空しく波間に消えていった人々  地を這うように荒れていく御寺を守ろうとした無名の人々 その高貴な精神のリレーで世にも清浄な唐招提寺という御寺が 和上の精神をたたえて現存するありがたさ。そして今も平成大修理が行われています。 人心の荒廃がいわれる平成の今 私達に人間の中に眠る尊く永遠なるものを思い起こさせてくださる 鑑真様のご生涯に感動と感謝の讃め歌をお奉げしたく思いました。

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